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ゼロ円ビジネスの罠

このエントリーのカテゴリ : ITビジネス動向

ゼロ円ビジネスの罠 (光文社新書)ゼロ円ビジネスの罠 (光文社新書)
(2010/09/17)
門倉 貴史

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コーヒー、ゲーム、携帯電話端末からGoogleの無料検索まで、商品やサービスを無料で提供するビジネスのからくりを紹介。
なぜ無料に惹かれるのか、ゼロ円ビジネスは継続できるのかを分析。
儲けの仕組みの事例が豊富なので非常にためになった。

前半で儲けの仕組みの事例が多いが、途中からゼロ円ビジネスにマイナスイメージも追加させるために旧来の悪徳商法を出しているところが微妙。
最後に失敗事例もあるのでまあ良いかな。

はじめに
【事例】
・書籍
 目的は販促。狙いは定価で販売するほんの売上拡大
 無料という話題、無料で読んだ人がブログ・Twitterで拡散。

 クリス・アンダーソン『フリー』は2週間限定でPDFを無料で公開。30万件ダウンロード。
 渡辺淳一『死化粧』も期間限定で公開、1日半で1万人以上の閲覧。新規ファン層拡大。
 五木寛之『親鸞』40日間公開、累計41万6千アクセス。書店での売上25%アップ。

・ノーロードファンド
 投資信託。1~3%の手数料が無料。信託報酬や解約手数料は高い。
 募集手数料と信託報酬・解約手数料を合わせて利益が出るようにしている。

【情報】
Googleが無料で新聞社のオンライン記事を配信できるのは、米国に「フェアユース規定」があるから。

・無料は局所的、一時的である場合のみ有効
 ゼロ円ビジネスを他者が追随すると全部無料にせざるを得ない。→儲からなくなる。
 みんな"ゼロ円"だから話題にもならない。

第1章 広告依存型
【事例】
・タダコピ(オーシャナイズ)
 大学構内に専用コピー機を置き、コピー用紙の裏面に企業の広告を掲載し、コピー代を無料に。
・エコフル(全立)
 ルーズリーフの両面下の部分に企業の広告を掲載。
・タダノート(ブラシナ、クロックオン)
 ノートの表紙や余白部分に広告を掲載。クーポン付も。

【旧来】
・元祖はポケットティッシュ
 日本がオリジナル。ライターが普及してマッチ箱に代わる広告媒体となった。
 店の近くで、ターゲットを絞って渡すため、CMと違い店に引き込む効果が高い。
・電話帳
 2000年代に入って1748億円から09年の764億円と激減。
 固定電話加入者減少による配布部数の減少も原因だが、ネットで飲食店が検索できるようになったことが大きい。

【トレンド】
・無料クーポン誌
 『ホットペッパー』20-30代の女性410万人がターゲット。
 広告料は1/16で5万円、1ページで85万円(新宿エリア)。集客効果を狙った広告料。
 日本では競争が激化しており、フランスや中国で発行。
Googleの検索連動型広告モデル
 GMail、GoogleMapなどすべて無料なのは利用者増加、顧客囲い込みが狙い。
 収入源はAdWords。広告主にとってはターゲットが絞りこめ、またクリックごとの支払いのため不要な支出がなく始めやすい。
 AdSenseは収益の68%をサイトの運営者に提供。残り32%がGoogleの収入。
 スマートフォン向けのOSのAndroidを無料公開し、広告市場を開拓している。
・ヤフーはバナー広告
・アップルもiAdでiPhoneやiPadアプリ内に広告を挿入し、収入の6割をソフト開発者に還元。
・Mixi
 サイト上の広告収入で収益。広告売上高は136億円の87%の118億円。
・ゼロ円年賀状サービス
 mixiでは、年賀状に広告をつければ無料、広告をつけなければ98円。相手に住所を教えなくて良いところが安全。
 通常の広告付き年賀状もあるが、スポンサー企業がまだない。
 ←ターゲティングできないから当然では?マス広告に近いよね。。。
・ソーシャルニュースサイト(Digg)
 ニュースを共有し、投票するサイトに広告を表示。広告が多数のdiggを獲得すると広告料が安くなる。
 日本ではnewsing(マイネット・ジャパン)
Twitter
 Twitter内検索の結果に連動型広告を出す。これから収益化するところ。
・オンライン招待状ビジネス(evite.com)
 招待状サイトに広告を掲載。パーティやイベント利用のためアルコールやギフト関連が多い。
・ぐるなび
 飲食店から掲載料を取っている。

【考察】
・広告依存型は景気の影響を受けやすい。フリーペーパーの広告費は09年に前年比18.7%減
 でもインターネット検索連動広告は影響は小さかった。
 ぐるなびのように会員制にして会費を徴収するモデルだと景気の影響を受けにくい。

→年賀状とかはターゲットが不明確だけど、mixiなどの情報を活用して絞り込めばターゲティングできて価値が高いかも。
 大学向けのサービスとか、どれだけターゲティングできるかが広告を集めるカギかな。

 
第2章 フリーミアム
・『フリー』のクリス・アンダーソン
 5%の有料ユーザによって95%の無料ユーザ向けのサービスがまかなわれている
【利用者が増えれば課金】
・センドマティック(無料オンライン招待状ビジネス)
 招待客の人数に応じて料金を変え、会員からの料金収入を収入源とする。小額の場合は無料。
 →AWSやGAEと同じモデル。
  よく考えたら、これまでのビジネスは人数が少ないと高くて、
  数を増やすとスケールメリットで単価が安くなってた気がする。
  逆のモデルだな。

【有料アイテム販売】
・グリー
 ゲームに勝つために有料でもアイテムを欲しい、という競争心を煽っている。
・ディー・エヌ・エー
 モバゲータウンの収益は、アバターのアイテムを有料販売。全売上の44.3%。
 3Dアバターなどがんばってはいるが、グリー同様、有料アイテム販売になりそう。

【ユーザの任意の支払い】
・レディオヘッド
 音楽アルバムを無料でダウンロードできるようにして、ユーザが任意で支払う。
 無料は62%。支払った38%の平均は6ドル。全体で2.26ドル。
 購入者特典で有料のCDセット(80ドル)を購入できるようにした。
 無料でダウンロードしたら、80ドル支払わないと損?
・ナイン・インチ・ネイルズ
 アルバムの最初の9曲無料。全曲ダウンロードしても5ドル。

【ソフトウェア頒布】
・アドビのAcrobatReaderが無料な訳
 閲覧ソフトを無料にしたからあっと言う間に普及した。
 PDFを作る企業側のニーズが高まることを狙って、作成ソフトを高い値段で販売。
 ただし、ソースネクストやクセロなどが安価、無料で作成ソフトを公開するとやられかねない。
・スカイプ
 P2Pであり、インフラコストがほとんどかからないので運用費が要らない。(でも利益も上がらない)
 固定電話や携帯電話への通話に課金することで利益を上げている。
・GyaO
 配信する動画は著作権料を支払って調達した公式動画で、広告依存型では成り立たなかった。
 有料動画の一部を無料動画で配信し、有料に取り入れる仕組み。

【集客、客単価向上】
・マクドナルドの無料コーヒー
 宣伝・集客効果が狙い。
 原価15円のコーヒーを100万人に配っても1500万円。
 同時にクォーターパウンダーなど、粗利の高い商品で客単価を引き上げて販促コストを回収している。
・播磨屋の無料カフェ
 10代~30代の取り込みが狙い。おみやげに買って帰ることもある。

【サンプル】
・109のSBY
 サンプリングエリアに化粧品、香水、サプリメントなどが置いてあり、アンケートに答えるだけで3種類を無料でもらえる。
 渋谷109の最上階にあるのでシャワー効果も期待できる。
 サンプル提供企業も流行の嗜好をつかめるというメリットがある。
・エルカフェ
 渋谷パルコにオープンし、飲み物を注文するとLコインがもらえ、3コインでサンプル3つと交換できる。
 事前登録制でアンケートに協力する必要がある。
・トクー!トラベル
 会員予約サイトで、プレミアム会員の中から抽選で選ばれる。
 宿泊施設側としては、抽選に申し込んだ会員(90万人)に魅力をアピールすることができる。
 サイト掲載料はかからないので部屋を無料で提供するだけで済む(原価は掛からない?)
 トクー!トラベル側にとっては誘客、囲い込みができる。
 会員制で会費で運営している。(5250円)
・価格.com
 販売サポート…PCメーカやブロードバンド回線サイトに誘導し、成約時に手数料をもらう。
 集客サポート…価格情報掲載している店舗から月額固定掲載料をもらう。
 価格比較は不況に強い。

【サプライ商品】
・ゼロ円プリンター(HP)
 プリンタ本体を無料にしてインクなどを有料で販売。
 プリンタを10台以上、インクカートリッジを定期的に規定本数購入する条件。
 2年間契約で、解約時は違約金がとられる。

【AKB商法】
・同じものを3個買うと2ショット写真が撮ってもらえるなど、同じ商品をコアユーザに買わせる。

【コストを浮かせる】
・トランスファー・カー
 無料レンタカーサービス。
 多数のレンタカー会社と契約しており、出発点以外の場所で乗り捨てられたレンタカー情報を常時収集。
 営業所に戻す作業員のコスト分の手数料をもらう。
 SNSやTwitterなどで告知。
 
第3章 無料に飛びつく理由
・返報性の原理
 人間の心の中の貸し借りの帳尻合わせのために、何かしてもらったらお返しをしないと、と考える。
 スーパーの試食、高い商品を断ったら次の安い商品を購入しないと悪いと考えてしまう、など。
・消費者心理の「保有効果」
 自分が持っていないより、持っているものを高く評価してしまう心理。
 クネットとシンデンの実験。キャンディとマグカップを交換したいか、というときにもらった方に固執する結果。
 無料お試し期間が過ぎたら有料、という場合、結構継続される。
 「気に入らなければ返品可能」も同じ効果を狙っている。
・"無料"じゃないとインパクトが出ない
 1000円を500円で売るのと、500円を無料で売るのではコストは同じだが集客効果が違う。
・プロスペクト理論、確実性効果
 100万円の利益が出た満足感と、100万円の損失が発生した苦痛は大きさがはるかに違う。
 多少でもお金を払う場合、損をするリスクを考えるが、無料だとその心配がない。
・アンカリング効果
 コーヒーが無料、とキャンペーンすると、他の有料のコーヒーが高く思える。
・バンドワゴン効果
 多くの人に支持されているだけでそのサービスを受け入れやすくなる。
 ブロガ―やTwitterで記事を書くと、口コミで広がって行くのも同じ効果。
 ランキング上位の曲を聴いてみたくなる、並んでいると欲しくなる、など。

第4章 タダより高いものはない
・携帯電話の初期無料は通話料で取られ、解約時は残額を請求される。
・DPEも「プリント代ゼロ円」とあったが、現像代を引き上げて合計は同じ、というのもあった。
・宅配レンタルお試しサービスでも、無料期間を過ぎると自動的に1年分の会費を請求される。
・無料会員の登録時にクレジットカードの番号が必要なサービスもある。
・エステも無料体験すると「このままだと大変なことになる」と契約を勧める
・着物は無料だが、帯は50万円。
→どこで儲けているかを知っておくと悪徳商法に引っかかりにくくなる
・催眠商法、開運商法、点検商法
・パチンコ・パチスロ攻略法商法
 攻略法を無料で教えるが、玉が出ないと「100%確実な方法は有料で」になる。
・送りつけ商法
 無料サンプル+有料商品2つ送りつける。
 商品を受け取っても14日手をつけないと返す必要がない。

第5章 ゼロ円ビジネスが経済に与える影響
・ソフトウェア、ハードウェアやCDなど、知識・技術集約型産業は、最初に市場シェアを奪った企業が勝つ。
 収穫逓増のため、一度作ってシェアを獲得すると安価に大量生産できる(限界費用が減少していく)。
 Windows95は最初の1枚のCD-ROMを作るのに5000万ドル掛けたが、複製品は1ドルしかかからない
・収穫逓増の法則は、需要が増えないと働かない。
・ネットワーク外部性
 同じシステムを使う人が増えるほど、情報交換が容易になったりして満足度が上がる。
・ロックインするために有効な戦略
 市場への参入当初はゼロ円で、プラットフォームをバラまいてそのあとで有料ソフトで収益を上げる。
・資源集約型は生産を増やしていっても生産効率が上がらない。
 漫画喫茶のアプレシオは、カレーライスを無料にしたが、みんな真似したので差別化が図れなかった。
 新規出店を増やしていっても人件費、設備費の追加コストは下がらないのでコスト負担が大きくなった。
 →スケールメリットがない場合は無料戦略は逆効果。
・価格は希少のシンボル
 無料で農地を共有されたら荒れてしまい、すべての農民が損をする。
・無料パソコンは失敗に終わった(フリーPC)
 日本でも「ムリョーパ」やセシールやIBMがやったが、パソコンの価格が高く、参入障壁も低かったので会員数が達しなかった。
 広告料も思うように上がらなかった。
→収穫逓増モデルでも、損益分岐点に達する十分な戦略が必要。
 
おわりに
・「セイの法則」が成り立たなくなった
 供給はそれみずからが重要を作り出す。
→プロダクトアウトからマーケットインに変わったとき、生産方式を変えられない企業は無料ビジネスに走りやすい。

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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IT関係で10年働いたのでそろそろ独立したいと考えているけどなかなか一歩が踏み出しきれないありきたりなプログラマ

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